交通事故でケガをした方と向き合う 損保業界38年のベテランならではの対応
ある日、ソニー損保の損害サービス部門のスタッフにあてて、お客さまからこんな声が寄せられました。
【お客さまの声】
この声をいただいた損害サービス部門のSさんに、普段の対応や心がけていることについて聞きました。
高速道路での事故 相手方2人が長期通院
この事故のことをSさんはよく覚えていました。
男性のお客さまが高速道路を運転中、前方の車に追突した事故でした。前方の車に乗っていた30代女性と60代男性は、全身を打撲し、首や肩、腰や背中全体に痛みがある状態だったといいます。入院には至りませんでしたが、長期通院が必要となりました。
事故を起こしてしまったお客さまは、Sさんに「ケガをした相手方2人のケアを最優先してください」と何度も話したそうです。
人身事故の対応は、お客さま、相手方のほかにも修理工場、ケガをした相手方が通う医療機関、薬局、相手方の保険会社など、さまざまな関係先と連絡を取ります。今回のケースは、相手方が2人だったため、連絡をとる先も通常より多くありました。
Sさんは言います。
「複数の関係先とのやり取りがある場合、間をおかないように意識しています。時間がたつと、報告に抜けや漏れが出やすいです。状況が変化したり進展したりすれば、すぐに連絡して情報をお伝えするようにしています」
「相手方やお客さまには用件だけで済まさないようにしています。電話に出ていただいたときには『お仕事中、電話に出てくださりありがとうございます』、書類を受け取ったときは『ありがとうございます、助かります、ところでこの書類なのですが...』など、最初に感謝の言葉を伝えました」
Sさんは、相手方2人に体調や仕事への影響などを聞き取りました。「お2人とも体のしびれが取れず、事故から半年後に後遺障害の等級認定の申請をし、認定を受けました」。事故から解決まで約1年ほどかかったと言います。相手方が複数いる中で、関係先と密にやり取りしたSさん。その仕事への姿勢が、お客さまからのお礼のメールにつながったのかもしれません。
「事故にあわれた方の家族や生活、人生に向き合う仕事」
Sさんは大学卒業後、新卒で外資系の損害保険会社に入社。事故対応や営業を経験したのち、2007年にソニー損保に転職しました。
「私が転職する当時からソニー損保のウェブサイトは、お客さまの声を掲載していました。満足の声だけではなく不満の声も掲載し、どうしたらお客さまにご満足いただけるのか?何が改善すべき点だったのかを考え業務やサービスを改善していたんです。当時そうした損保会社は少なく『ここまで公表するのか』と驚きました」
お客さまの声に真摯に向き合うソニー損保の姿勢に魅かれ、転職を決めたといいます。
人身事故対応の仕事は、お客さまだけではなく、被害にあわれた相手方、そして相手方のご家族や生活、人生そのものに向き合う仕事だとSさんは言います。
「被害にあわれたお客さまのご自宅を訪問することもあります。交通事故が、ご家族にどんな影響があるのか。例えば事故で体調を崩し、お子さまの塾の送迎が難しくなった、お子さまの学校行事に参加できなくなったなど、電話でのやり取りだけでは想像できない日常生活への影響を目のあたりにするんです」
事故対応が解決したタイミングでは、お客さまだけでなく、相手方からも「いろいろとありがとうございました」というメッセージをいただいたり、書類についた付箋にひとことお礼が添えられていたりすることがあります。「この仕事を続けていてよかった」と感じる瞬間です。
さまざまな経験から得た、 相手方への理解
Sさんにとって今でも忘れられないことがあります。
15年ほど前、あるお客さまが車を運転中、自転車で新聞配達をしていた男子高校生と接触した事故がありました。幸いにも高校生に大きなケガはありませんでした。Sさんは高校生のもとを何度も訪問しました。
その高校生は児童養護施設で生活していました。訪問し面談を重ねるうちに、施設長や被害者以外の他の子どもたちとも言葉を交わすようになったといいます。
普通に家族と過ごす環境とは全く違った環境で生活している多くの子どもたちがいることを痛感したSさん。子どもたちと交流しなければわからなかったことだったと話してくれました。このことをきっかけに、一個人としても児童養護施設に寄付をしたいと考えるようになったそうです。面談や電話で相手方の立場に寄り添い続けたことでより理解が深まり、それがSさんの対応に生かされているのではないでしょうか。
「自動車保険は、ソニー損保という会社そのもの」
あと3年半で嘱託定年を迎えるSさん。
「体調に気を付けて残り少ない時間を走り抜き、ゴールテープを切りたいですね」と話してくれました。
最後にSさんにとって自動車保険とは何かを聞きました。
「事故を起こしたときに頼りになる自動車保険は、ソニー損保という保険会社そのものだと思います。お客さまも相手方も『ソニー損保』という会社がどう対応したかを評価します。だからこそ、私たちスタッフひとりひとりが真摯にお客さまに向き合わなければならない、そう思っています」
まとめ
今回は損害サービス部門のSさんにお話を聞きました。
長く人身事故と向き合ってきたSさんのお話は、さまざまな現場を経験されてきた方らしい説得力がありました。
今後も現場スタッフに関する記事をnoteに投稿していきますので、引続きよろしくお願いいたします。
上記内容は掲載当時のもので、現在と異なる場合がございます。