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消えたセンターライン 想定外の事故対応でも納得いただける結果をもたらすために

ある日、ソニー損保の損害サービス部門のスタッフにあてて、お客様からこんな声が寄せられました。

【お客様の声】

責任割合が判例よりも、こちらに有利に決着をしていただき助かりました。また、早い段階から保険を使った場合に、保険料がどのぐらい高くなるのかを教えていただき、希望責任割合の目安にできたのが良かったです。

この声をいただいた損害サービス部門のSさんに、実際にどのように対応したのかを聞きました。


センターラインの消失で、責任割合が変わった

損害サービス部門  M.S
2020年に新卒でソニー損保に入社。
困っている人をサポートしたいという気持ちから、損害保険業界を志した。
物損事故を担当しており、後輩の育成も行う。

事故は丁字路交差点で起きました。40~50代の男性のお客様が運転中、脇道(非優先道路)から右折してきた相手方の車と接触し、車の一部が損傷したのです。幸いお客様と相手方にケガはありませんでした。

「当初、お客様が走行していた道路にはセンターラインがあり、優先道路という情報だったため、責任割合はお客様10、相手方90の事故でした」。当時の状況についてSさんはこう説明します。

ただ、話を進めるうちに車同士が接触した場所は、年数の経過などでセンターラインが消えていたことが分かったのです。

この状況を踏まえ、相手方の保険会社は責任割合はお客様が30、相手方70 との見解を示しました。当初、Sさんがお客様に伝えていた情報から、責任割合が大きく変わることになってしまったのです。

過去の判例や写真を基に、粘り強く交渉

Sさんは慌てずに進め方を考えました。ソニー損保では、道路交通法などに詳しい弁護士を講師に迎えた勉強会を定期的に開いています。Sさんはこれまで何度もこの機会を利用してアドバイスを求め、知見を深めていました。

Sさんは、過去の判例を調べたうえで、車同士が接触した場所ではセンターラインが消えているものの、前後は線が見えていて優先道路だということ、消えていること自体が特異ということなどを相手方の保険会社に伝え、お客様の責任割合が低くなるよう交渉を進めました。
センターラインの写真を送るなど、粘り強く交渉を続けた結果、最終的にはお客様20、相手方80で合意することができました。

また、お客様とこまめに連絡を取り、交渉の状況を報告しました。「お客様は、ご自身の責任割合が低いという認識をお持ちでした。センターラインの消失で変わった責任割合を突然提示してはお客様が違和感を持ちます。これまでの判例を説明して理解を求めながらも、納得していただける責任割合になるよう努力しました」

実は、事故対応の途中段階で実施したアンケートでは「親切な対応とは思いますが、事故が初めてなので(評価の)判断が難しい」という回答で、決して高い評価ではありませんでした。ただ、Sさんの粘り強い交渉とこまめな連絡で、最終的に高評価をいただくことができました。

祖父母が経営する温泉施設を手伝った経験が、入社のきっかけに

Sさんは新卒でソニー損保に入社しました。祖父母は温泉施設を経営しており、Sさんは大学生まで祖父母の仕事を手伝っていました。「来店されるお客様は高齢の方が多く、階段の昇り降りのサポートや話し相手をするうちに、人をサポートする仕事に就きたいと考えるようになりました」と話します。

社風の良さなどに惹かれ、ソニー損保に入社したSさんですが、入社1年目は失敗も多かったといいます。お客様から厳しい言葉があったときに落ち込んでいたSさんを励ましてくれたのが職場の同僚や先輩でした。2年目に入るとお客様への対応にも少しずつ慣れてきました。

仕事では、声のトーンや話す速度に気を付けながら、相手が優先的に求めていることを整理して分かりやすく提示するようにしています。お客様からだけではなく、相手方からも「いい対応をしてくれて、ありがとうございます」とお礼を言われるときは、やりがいを感じるといいます。

「マイナスがプラスに転じるような価値を提供したい」

仕事でもプライベートでもSさんが心がけていることがあります。

「どんな場面であっても、マイナスの感情を表に出さないことです。感情的になっても良いことはありません。どうしたら相手を嫌な気持ちにさせずに、物事を進められるかをいつも考えています」

現在は物損事故を担当するSさんですが、これからはケガを伴う人身事故にも対応できる力を身に着けたいと考えています。「ケガをされている方は、精神的なショックも大きいと思います。寄り添った対応で、補償だけではなく、お客様の精神的なサポートをしたいと思っています」

Sさんに自動車保険を通じて届けたい価値は何かを聞きました。
「事故対応の仕事は、事故というマイナスからのスタートです。お客様と信頼関係を構築し、満足していただける結果を提供し、マイナスがプラスに転じるような価値を提供したいと考えています」

まとめ

今回は損害サービス部門のSさんにお話を聞きました。

落ち着いた声で、自動車保険の仕組みについて分かりやすく説明してくれたSさんから、普段の仕事での様子が伝わってきました。

今後も現場スタッフに関する記事をnoteに投稿していきますので、引続きよろしくお願いいたします。



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